鮟鱇の骨まで凍(い)ててぶちきらる(加藤楸邨作) | ||
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作者、加藤楸邨(1905年5月26日〜1993年7月3日)がこの句がを詠んだのは、戦後間もない混乱の頃です。
作者は闘病生活を送っておりました。
鮟鱇は冬に料亭などでお鍋に入れて食べるとおいしいイメージがあります。
自宅で、手軽に料理して頂く食材ではありませんね。
身がとても柔らかいので、まな板の上で切ることは
大変な仕事です。そのため、つるして切ることがあるそうです。
この句の鮟鱇のイメージはどちらかというと反対のイメージがあります。 鮟鱇は作者自身を重ねているのかもしれません。 「ぶちきらる」は「ぶちきる」に古文助動詞の受け身、「らる」の活用が接続した文です。 鮟鱇側、切られる魚の立場からの言い回しです。 料理される側と食べる側、戦後、生きていくために食べる。鮟鱇をとにかく食べるために切る。 戦後間もない頃に冷凍技術がどの程度のものかと。 凍りつくほどに冷たい鮟鱇が、凍り付くほどの厳しい冬の寒さのなか、 野ざらしに近い調理場で、大きな刃の包丁で乱暴に調理されてる鮟鱇、 生きていく力強い気持ちが伝わってきます。 冷凍といえば、私が幼い頃は今のように大きな冷凍トラックは見かけませんでした。 変わりによく見かけたのは、運転席しかない後ろが荷台のトラックです。 白い煙のような気体、?(気象学的には氷霧)が舞い上がっている荷台には、 凍っているマグロが山のように、無造作に積まれてました。 運転手の方も、通り道のご近所の方も顔見知りで、凍った魚を積んだトラックが通り過ぎると、 「おーい、落としたよ」と声をかけると、「もらってくれ」と運転席から手を振ってくれると。 私もご近所の、魚師さんには、お魚をよく頂いたものでした。 取り立ての桜エビやしらすを! 子供の私はその美味しさがまだよくわからないのでした。 |
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焼津さかなセンター | ||
左写真は焼津市のインターチェンジの隣にあります、名称、魚センターの店内です。
私が子供の頃に、東名インターチェンジの近くに、焼津名産を売る商業施設を造る計画が始まりました。
港町焼津市を最大限に活用できると。
焼津市の発展のために、皆さんのとても熱心な活動は、子供の私にも伝わってきました。
当時は、小判の目のように仕切られた施設内に 新鮮で美味しいお魚が豊富に並んだお店がひしめきあっていました。 次から次へと大型観光バスが毎日訪れておりましたました。 楽しいイベントもあり、観光客だけでなく、地元住民にもとても愛されてました。 年末年始は駐車場に入るためにはかなり待つ覚悟で行かなければなりませんでした。 お客様へのサービスも兼ねてマグロの解体ショーが行われてました。 大きな刃の包丁で、大きなかけ声で、今となっては懐かしい風景です。 時は流れ、インタアーネットなどの普及により美味しいお魚も手軽に手に入るようになしました。 またここ数年のコロナ感染により観光客も激減しました。 色々大変な時代ですが、美味しいお魚をお届けしたいと頑張っていらしゃいます。 また魚センター内のお店30店舗が合同で、合同通信サイト「焼津さかな館」を行っております。 フリーダイヤル 0120-82-1137 名称 焼津さかなセンター 〒425-0091 焼津市八楠4-13-7 電話番号054-628-1137 Fax054-628-1185 営業時間9時〜午後5時 |